ロリコンが気持ち悪いメカニズムについて

世間からロリコンが気持ち悪いと散々言われ、それに対し反発する流れは飽きるほどに見受けられる。

いったい何故、ロリコンは気持ち悪いのだろうか?



・そもそも「気持ち悪い」とは

例えば、足の裏にゴミが挟まったときに「気持ち悪い」と感じる。

ミミズを見て「気持ち悪い」と感じる。

酔って吐きそうになるときに「気持ち悪い」と感じる。

これらに共通する感情である「気持ち悪い」とは、自分が”気持ち”で感じている「普通」(ゴミが挟まってない足、ミミズがいない世界、吐きそうでない状態)とは違う状態が違和感を生み、
解消できないことにより居心地が”悪い”と言えるだろう。

(言語学者ではないので厳密な定義ができないことはご容赦いただきたい。)

・ロリコンを「気持ち悪い」と思う人間の感じている「普通」とは何か?

先程の例にあったように、一般的に生物に向けられる気持ち悪さは、目の前に存在すること自体を気持ち悪いと感じるのだろう。

この解釈において、ロリコンという「一人の男性」が目の前に存在すること自体を気持ち悪いと感じるのだろう。

例えば、人間が家の中にいても気持ち悪くないだろうが、虫がいると気持ち悪い。

犬の場合、気持ち悪い人と気持ち悪くない人に分かれる。猫の場合も同様だが、犬は気持ち悪くないが猫は無理な人がいる。

虫がいても気持ち悪くない人もいるのかもしれない。このように、「気持ち悪い生物グループ」と「気持ち悪くない生物グループ」を個々人の内面に(意識的あるいは無意識的に)作り上げ、グルーピングしているのだろう。

この例をそのまま用いれば、「生物」という大きなカテゴリに対し、ある人は「人間」と「その他生物(虫と犬)」、別の人は「家族や友達(人間と犬)」と「その他生物(虫や野良猫)」のように。

以上の考察から、気持ち悪さを分析するためには、大きなカテゴリと、その分け方の2面から論じるべきであろう。

大きなカテゴリについてだが、基本的には「人間」であろう。

ロリコンが気持ち悪いと論じる文脈で、犬や猫や鳥が想起されていない事がその証拠である(比喩的に虫は使われるかもしれないが…)。

そして、「ロリコン」の含有する意味は”コンプレックス”であるが故に、「人間の内面性」に関するカテゴリであると考えることが自然だ。

また、女性のロリコンというのはあまり論じられていないため、対象は男性であると考えるのが自然であろう。

より細かく分解可能かもしれないが、大きなカテゴリを一旦「男性の内面性」と置こう。

・ロリコンが「気持ち悪い内面をもつ男性グループ」に仕分けられる理由

次に、どのような「男性の内面性」が「普通」で、ロリコンのどこが気持ち悪いのか。

これは世間一般のロリコンのイメージと表裏一体であろう。仮に子供を持つ人なら、「子供に手を出さない存在」を普通(「気持ち悪くないグループ」)だと強く認識するだろう。

逆に言うなら、「自分の子供に性的な興味を抱き、手を出しうる存在」であるロリコンを「気持ち悪いグループ」に入れるだろう。

また、父親と暮らす若い女子なら、父親のような年代の人は自分のような年齢に手を出さないと信じており、手を出しうる存在であるロリコンは普通ではないのだろう。

男性にとっては、若い女性といっても限度があり、小さな女の子に手を出す人間には共感できず、普通ではないと感じるだろう。

では本題に入ろう。「何故」気持ち悪いのか。

例えば、自分に自信がない人の恋愛傾向として、「私なんかを好きになる人は、おかしな人にちがいない」という心理(蛙化現象)が存在する。

「自分自身の理想的な状態」(私を好きになる人はいない)と「自分自身が無意識的に遠ざけている現実の自分」(相手から好意を抱かれた)の差異に対し認知的不協和を起こすと、
現実の側を「気持ち悪い」と排除する(相手がおかしいと感じる)ようになる。

まとめると、このような心理は自己の抱える認知的不協和が根底にある。

このように、自分の思う「普通」でない状態を無意識的に排除する心理が「気持ち悪い」に繋がっていると考えられる。

「自分自身の理想」に対し「ロリコン」という存在が自分の認識したくない内面を無理やり認識させるのだろう。

認知的不協和の根底として色々考えられるが、男性なら「無知な存在に対し優越感を感じたい心理」「社会的規範を破り欲望を解放したい心理」、女性なら「世の中の男性の大半が若い子が好きであり、自分の好きな人間や父親もそのような心理を持ちうること」など自分には存在しないと根拠なく信じていることであろうか。

最後に一つ。

ロリコンを気持ち悪いと思う人間は、この記事の内容とこの記事を書いた人間に対しても同様の認知的不協和を起こすのだろう。私がロリコンであるから、ロリコンを擁護している、と。

この記事をロリコンの同期に捧げる。

誓って私はロリコンではない。